丸 知司 ハワイワールドチャンピオンシップ参戦記 

開催日 平成20年10月11日
場所 ハワイ島カイルアコナ(スタート及びゴール)
大会名 アイアンマン・ワールドチャンピオンシップ

2008年10月8日〜13日

レースの出発から、当日までを思い出して。

(1日目)

今回の参加メンバーは、自分のほか、うちの奥さん(今回は初めてフルタイムで同行)。

北川先生夫妻とかわいい娘さんの久美子さん。

そして、鈴木社長と奥様。

各グループの都合により、成田エキスプレスや空港で待ち合わせ。



成田の寿司屋さんで、かなり飲酒してから乗ったので、飛行機の中は食事もせず、

ずっと寝てしまった。

コナ空港に着いて、レンタカーに。コンド(ミニアム)に移動。

レンタカー会社のスタッフの女性達も顔を覚えていて、声をかけてくれた。

ややアルコールが残っていたかもしれないから、運転はいけないが・・・。

運転しながら、ラジオを聞くと気分は最高!

ワイハーだ!コナだ!泳いで、走って、さあ飲むぞ!(違うか・・・)

レースだけは、頭が痛いが、その為に来たんだから仕方がない。

ただ、午前10時過ぎではさすがにチェエクインは早いので、先に選手登録と説明会に変更。

その後、コンドに行き、チェックイン。コンドの受付の女性も覚えていてくれた。

(あまりに下手な英語でしゃべろうとするから、印象的なのかな・・変な中国人と思われているのかも)

クルマで、ショッピングセンターに5日分の食料の買い出し。

自転車を組み立て、軽くジョギング(5キロぐらい)。

すこし眠いが、ここで頑張って起きていると、時差ボケが早く治る。

夜はコンドの近くのお気に入りのレストランでワインとシーフード。

ここの料理は最高。しかし、近年の物価高で、かなり値段が上がっている。

およそ、この3年で30%以上か。でも、美味しかった。

例えば、ワインはグラスで400円前後だったものが、650円から700円に。

従って、自分たちは、ボトルで注文。3本空けていいかげん酔った。10時半撃沈。



(2日目)

朝7時に起床。

バイク(自転車)の調整を兼ねて、コースの試走。

ハイウエイ50キロ程を軽く走り、そのまま、スイムスタート地点の桟橋(ピア)に戻る。

今度は試泳。これまた、軽く1キロ。水温が低い。

本番のあさっては、ヨーイドンの号砲がなるまで、20分以上、水面で浮いていなければならない。

数年前、この待ち時間でヒートロスとなり、具合が悪くなった。水温の低い大会は‘超’がつく苦手。



11時半から、ベトナム系のレストランで、ランチ(サイミンという麺が大好き)。

午後は、コナ中のマーケットを巡った後、コーヒー園(ドトール)に。

ここは、戦前日系人が苦労した農園の面影はなく、ひたすら美しい。

責任者の秋山さんに直接ガイダンスしていただいた。

コナのコーヒーはコストがかかりすぎ、日本のドトールの店内飲用では、採算は合わないとのこと。

確かにアメリカの人件費・諸物価の中で作ったものは無理だろう。

夜は大会側主催のカーボローディングパーティー。

あまり面白くなく、しかも、ノンアルコールなので

(当たり前。この後、英語圏の選手説明会が、そのままそこで行われるから)、

1時間で出る。

約束していたコンド(ミニアム)のプールサイドでの、バーベキューに合流。

応援チームが一生懸命考えてくれたメニューに舌鼓。最高でした。

最近のお気に入りはコナビールでなく、MEHANA(特にお勧めはこの中のペールエール)。

この他、飲み物は、赤ワインと泡盛など。飲み比べも楽しい。

部屋に戻ったのは10時過ぎ。ワインをもう少し飲んで、11時半に就寝。



(3日目)

朝、肉、野菜料理で、軽く食事。

その後、軽くバイク20キロ(ケアホウ往復)。戻って、サンドイッチでさらにブランチ。

12時からバイクやトランジッションバッグのチェックインの為、準備。

やや補給食料が足りない気がするが、エイドで、しっかりもらえばよいか
(今更、ジタバタすまい)。

ランチは焼きそばを作ってもらう。

12時過ぎに、バイクチェックインのため、会場へ。

スムーズに10分程度で終了。

ヘルメットに国際認定ステッカーが貼ってないから、トラブルになりそうだったが、

メーカーの製造番号が貼ってあり、それで代用されるとのこと(日本製は要注意)。

このバイクチェックイン、また、レース当日のレースナンバリング、

かつては、30分近く並んだのが、ウソの様。すごく工夫している。

何をどうしたら、こうなるのか

(渋滞解消工学を応用している?いずれにしろ、他の大会も真似すべきところか…)

これは、今のレースディレクターになってからのこと。有能なのだろう。

買い物しながら、戻り、昼寝。あー、のんびり。

ここのコンドから見る景色は最高。イルカの泳ぐ姿が何度も見られるし、

カメも真下の岸でたびたび寝そべっている。zzz、1時間ほど眠ってしまった。



応援チーム(今日は、ワイピオ渓谷に馬に乗りに行っていた)が帰ってきて、

一つ部屋に集まり、一緒に夕食。

刺身、煮しめ、カレー、サラダ数種類、バーベキューチキン、お汁粉と、

お腹いっぱい(それとシャンパン)。カレーが特別美味かった。

早めに寝たいが無理か

(日本時間はまだ夕方。なかなか寝られなくて当たり前。これがハワイ大会のつらいところ)。

とにかく明日は4時起き。

体内時計・・・ハチャメチャ。



(4日目:レース)

スタートは7時なので、朝食後5時にコンドミニアムを出て、のんびり歩いて会場に向かう。

身体へのナンバリングやバイクの空気入れを済ませて、応援チームと合流。

記念写真を撮り、いよいよ海の中へ。

スイム(1時間10分)

1800人近い一斉スタートだが、今年も波もなく、泳ぎやすい。

15m以上はある海底や魚もくっきり見える透明度。

スイミングに関していえば、自分のトレーニングは、スイミングクラブやスクールで

泳ぐわけではないので、進歩はないし、加齢のせいか、遅くなる一方。

しかし、一人孤独で泳いでいるうちに、最近、時々、一緒に泳いでくれる仲間ができ
た。

できれば、週一を目標に二人で泳いでいるので、泳ぎも少し改善された。

おかげで、近年にない気楽さで、あまり心拍も上げないで泳いぎきった。



バイク(6時間17分)

これが、一番の鬼門。とにかく練習できていない。

予選会の後、沖縄に行った時に、少しやったくらいで、ほとんどぶっつけ本番。

結果は予想通りで、全くペダルを踏めず、回せず、悪戦苦闘。

ローラー台でごまかすようなトレーニングばかりだから、走れるわけがない。

おまけに、少しポジションを直前に変えて、使う筋肉がいつもと違う。

それでも、50キロ地点のカワイハエのところでは応援チームが一生懸命声を

掛けてくれた。

行き帰り、炎天下、3時間近く、ここで待っていてくれたことは本当に頭が下がる。

今年は、数年ぶりにやや風が強かったが、それでも、かつての怖いほどの風速ではな
い。

方向も、ファラライとマウナケアの間から斜めに入ってくる感じで、風の向きも違
う。

やはり、異常気象は続いているのだろうか。

・・・とにかく、応援の皆さん、遅くてゴメンなさい。



ラン(3時間28分)

バイクが走れなかったから、足は軽い。細切れでも月に250キロ以上は走ってきた
から、

多少自信もある。あまりペースも落ちなかった。

他の日本の選手とすれ違うのが楽しい。若い選手は声をかけても、なかなか反応して
くれないが、

努めて、いろいろな選手にも声をかけて走った。せっかく、頑張ってきたのに、体調
を崩してしまった

選手も何人か見られた。自分も経験しているが、無事にゴールしてほしい。

なんと一番元気な声が返ってきたのは、プロの河原選手だった。流石!

今年は同伴ゴールは禁止。本当は、応援にきてくれた人たちと一緒にゴールしたかっ
た。

特別、具合の悪いところはなく、元気に駆け込んだ。

終わって、シャワーを浴びて、また、バー(ハゴス)で応援チームと乾杯。

最高に幸せな瞬間。いつものバーテンさんもわざわざ出てきて、祝福してくれた。



(最後に)

結果は、日ごろのトレーニング量を考えれば、仕方がない。

自分の意思をもっと強く持たないと。

いろいろな環境でもっと頑張っている人がいる。工夫している人がいる。

今回もまた、反省すべき点がいっぱい。自分を変えることの難しさを毎回痛感した
し、

自分がこの競技に参加できることの幸せを感じるし、周りの応援や理解に本当に感謝
している。

もう少し現役アスリートでやっていきたい・・・いろいろな思いを噛みしめて、コナ
の空港を離陸。