丸 知司 ハワイワールドチャンピオンシップ参戦記 

開催日 平成19年10月13日
場所 ハワイ島カイルアコナ(スタート及びゴール)
大会名 アイアンマン・ワールドチャンピオンシップ
参加人数 約1800人
天候 時々曇り、気温:25度前後

アイアンマンハワイに参加してきました。



この週のコナは涼しく、過ごし易い日々が続きました。

比較的暑がりの自分が、コンドミニアムで、一度もエアコンを使わなかったくらい。

また、応援チームも慣れたもので、それぞれ、レンタカーで、火山(キラウエア)や

乗馬(パーカーランチ)、渓谷(ワイメア)、ヒロなど、思い思いに楽しんでくれている。

気を使わなくて、済むのはとてもありがたい。

それでも、夜になると、集まって、外食したり、特定の部屋に集まって、お好み焼きパーテイをしたり。

またまた、飲み過ぎシール貼られそう・・・。



レースは、「石の上にも・・・」で、自分にとり、10回目のアニバーサリ。

今回は、予選会で負けたのですが、自分より先着されて出場権を得た方がキャンセルされて、

譲り受けた大切なもの(これ、ロールダウンといいます)。



10回出たら、引退しようと思っていた自分。

初めて出た時と10回目が、この制度で救済されたので、何か因縁めいたものを感じた。



総合11時間18分(同一エイジグループで、91人中の31位。去年は20位なので、かなり後退)



とにかく与えられたチャンス、頑張ろうと思っていたが、結果は残念なものでした。

ゴマカシは効かないです、ハワイは!・・・自転車が走れませんでした。

(スイム1時間11分)



レース当日は、やや気温が上がったが、さほどでもない。

スタートは7時。水温はやや低め。30分を超えた辺りから、寒さを感じる。



今年の話題の一つはスイムスーツ。

ハワイはウエットスーツが禁止されているが、それとともに、

浮力素材のスイムウエアも禁止。

最近のウエット禁止レースでは、ワンピース型のスイムウエア(男女とも)が主流。

しかし、今年のモデルは、どうみても、はウエットスーツの薄型

浮力ありありの感。

また、密閉度も高いので、この下に、バイクウエアなどを着込み、膨らませて

浮力を得るのが、流行っている。

何種類か出ていて、大会事務局サイドで、製品により、使用の良し悪しを

当初出していたらしいが、結局、レース当日は‘お咎め無し’となった。

日本の男子某トッププロは、当初、使わないと公言していたらしいが、

レースの前々夜、こっそり買いに行ったらしく、思わず笑ってしまった。

自分も、こそこそ・・と思ったが、所詮、スイムは、あせって何かしても関係ない、

無駄と思い、止めておいた。

こんな器材の話もあまり入ってこない日本のアイアンマン情報に危機感を感じる。



それと、もうひとつ。

レース前日だったか・・スタート地点で泳いで、沖に数百メートル出ると、何か人が集まっている。

何かと思ったら、船上から、コーヒーのサービス。立ち泳ぎしながら、いただくことになった。

心ニクい企画・・・



話は横道にそれたが、スイムは、10回目にして、初めて安心して臨めた。

というのも、今年は、スイム改善のために、元長距離スイマーの方に、毎週ではないが、

週一回程度、一緒に泳いでもらっている。

一人でやっているときは、週1回か2回1500メートルを泳ぐのみだったが、

3000メートルに伸びた。昨今、トライアスリートには早朝スイム花盛りだが、

行く時間と環境にない自分には有難い。

結局、タイムは例年より、2分ほど良いだけだが、気持ちよくスイムアップ。

残念なのは、こっそり、海で○○ができなかったこと。終わって、トイレに行っていたら、

結構タイムロスした。未熟・・・・。

(自転車(バイク)6時間18分)



自転車の折り返しのハウィ手前の10キロ前後は強めの向かい風となったが、

いつも、その手前でふく、強烈な横風は例年の半分程度。

これで、三年連続、風の強くないコナ。

驚いたのは、19号線に入ってすぐ。

バイクコース上の中央に、点々と赤いコーンが置いてあり、

非常に危ない・・・

と思っているうちに、目の前のアスリートが、突っ込んで落車。



バイクは、走れなかった。思い出すのもつらい。

スイムと違い、明らかにトレーニング不足。結局、レース直前に、3回ほど、青梅近辺を

走っただけ。自宅でトレーニングマシンを使ったりしたが、やはり、絶対量が不足。

また、補給は、ゼリー状のもののみ使用。これだと、ランスタートの時、内臓の苦しさがない。

ただ、常に補給し続けて、ハンガーノックにならないように注意が必要。



これから、コナに参加される方にアドバイス。折り返し過ぎてからの下りは、フロント52で、

リアのトップが12であると、回しきれない。バイクでアタックする人は、11をセットするなど、

ワイドギアレシオを。・・・

のんびりチームは不要。足を休めましょう。



復路も、ワイコロアに近づくと、やや向かい風に。振り向くと、たびたび後ろに人がついている。

今年は、ほとんど、マーシャルが、注意しないため、かなりの集団走があった。

ドラフテイングできる、スピードとパワーがうらやましい・・・。

結局、去年より、20分以上遅れてゴール。

(マラソン3時間36分)

お腹は空くし、足の筋肉(ハムストリング)が痛く、走り出しがつらかった。

バイクがダメなら、ランもダメ・・ゴールできるのか等々、不安いっぱいでスタート。

我慢、がまん、ガマン。

すると、日本語の応援が・・・。われらが応援チーム!!

急に、アドレナリンが出る。

アリイドライブの復路ぐらいから、少しストライドが伸び始めて、19号線に入ると
元気が出た。



もうプロ部門のトップが戻ってきており、その順位を眺めながら、思わず、声をかける。

自分も参加者なのに、一瞬、応援に回ってしまう。



復路の最後。いつもは、駆け降りる、パラニ通りの下り坂。足が痛くて、スピードが上がらない。

とうとう42キロ我慢しました。

ゴール付近で、待っていてくれた応援チームのうちの3人

(他の人は行方不明)と手をつないでゴール。



すぐに、バイクを受取り、コンドミニアムに戻って、シャワー。

応援チームが待つ、レストラン&バーに行き、コナビールで乾杯。

美味しい食事とビールとワインで至福のひととき。

またまた、余談ですが、ハワイ州の地ビールで一番美味しいビールは、

実はコナビールではない気がします(コナブリューイングは、気分よいですが)。

好みの問題もありますが、

MEHANA(ハワイ島のヒロで作られている)のペールエール。

KONA BEERのペールエールと飲み比べてみるとわかります。断然、深みがあります。

ハワイ州全域で売っていますから、お試しを。

最近、日本も美味しいビールがありますから、

わざわざ、取り寄せる必要はないですが、ハワイに行った時は是非。



食事会が終了した後、最終走者のゴールを見るべく、もう一度ゴール地点へ。

自分より、さらに年配の方々や障害者部門の完走を見届けるのが楽しみです。

ゴール付近は例年の半分の観客なのに、びっくり。

欧米の爆発的なアイアンマン人気とうらはらに

アメリカのサブプライムローンがらみの不動産バブル崩壊の影響なのでしょうか・・・。



うれしいことがひとつ。

レースの夜、

バーでひとしきり食べて飲んだ後、応援チームの一人の方が

買ったばかりの高級カメラを置き忘れてしまいました。

翌日、昼間、

自分が代わりに、そのバーに行き、尋ねたところ、

「預かっていない」との返事。

これは駄目かな・・と思ったが、念のため、携帯番号のメモを置いて、外出しました。

夕方、戻ると、なんと部屋にカメラが届けてくれてあったのです。

いつも、話をするバーテンが、コンドミニアムを覚えていてくれて、届けたとしか、
考えられません。

旅って、こんな小さなことで、素晴らしく感激して、最高の思い出になるんですね。

(すぐ、お礼のメールを送りました。)



何回も同じところを旅するのは、面白くないという方も多いと思いますが、

楽しいこともあります。

レンタカー会社のオバサンも顔を覚えていてくれて、着くなり、

「あなた、何回目?あなたに初めて会った時、私も若かったのに・・・」なんて。

爆笑でした。







ハワイ10回めを区切りに、アイアンマンは引退しようと思っていました。



この10年には、いろいろありました。相次いで寝たきりになった両親とのお別れも。

ほとんど寝たきりの父親の近くで、寝て、朝、介護ヘルパーさんが来ると、交代をお願いして、

早朝ランしたのも思い出(とんでもないヤツ。介護失格)。

また、自分が、走るのを見たいといつも言っていた母には、とうとう見せられずに

終わってしまいました。



しかし、今は、悩んでいます(止めるのを止めようかと)。

今回もたくさんの応援のハートをもらいました。直接、コナに応援に来てくれた人。

そして、

出かけるまでに、先輩、後輩、関与先の社長さん達からの激励。

何も関心がなかった姉からも

涙がでるほど、うれしいメールが届きました。

自分のわがままでやっていることなのに。

アイアンマンは、不思議(今、事情があって、休んでいる人、ガンバッていつか復活してください)。



(おっと、その前に・・・この止めるはずのオジサンは、昨日、プールでインターバルしてしまいました・・・それって、何の為????)



懲りない、飽きないオジ(イ)サンでした。

おしまい。