丸 知司 アイアンマン ハワイ 参戦記 

2005年10月15日(土曜日)開催 アイアンマンハワイ 
参戦記 丸友司

2005 アイアンマン世界選手権(ハワイ島コナ周辺)に行ってきました。
参加は八回目。痛めていた右足もなんとか走れるまでに復活しつつあり、
レース自体は楽しめそうな予感はありました。
しかし、レースコンデイションは最高なのに、結局は、満足に走れず、
残念な結果に終わりました。まあ、これが今の実力。また来年、頑張ります。
以下、簡単にレースレポートです。

天候は晴れ。風は吹いておらず、スイム会場となるカイルア湾は凪。
また、例年、バイク(自転車)で苦しめられるコナウィンド(マウナケアから
吹き下ろす強烈な風)も大人しい絶好の状況。
自己ベストを大幅に更新したアスリートも多かったと思います。


レース当日

4時半に起床。前夜、軽く下ごしらえをしておいた朝食を食べ、5時半にコンドミニ
アムを出て、スタート会場に向かう。
選手登録として、レースナンバーのナンバリング(体に直に書く)
補給食の預託などを済ませる。

スタート前おにぎりをほおばっています。

(1)スイム3.9キロ(1時間12分)

6:45頃入水チェックゲートをくぐり、ウオーミングアップ開始。
スタートは7時。
スタートは波打ち際より80mほど沖合のラインからの浮いて待つ
フローティングスタート。
自分のスタート位置は列の中央前方から5列目あたり。波は穏やかで、
水温も高いがどうも自分の胃の調子がいまいち(ちょっとむかむかする感じ)

桟橋は人でいっぱい スイムスタート直後

スタートはキャノン砲の号砲一発。今年も始まった。1700名以上が一斉にスタート
バトルは多少あったものの前の泳者を目標に泳ぐ。
なんとなく力が入らない感じ。

まあ、あせらず泳ぐ。

泳いでいるうちに同じくらいのスピードのものがなんとなく集まる。
時々ヘッドアップをして軌道修正をするが、気をつけないと、ちょこちょこ曲がる。

遅いんだろうなあ・・と思いつつも、まだ先は長いと自分をなだめる。
終了間際、少し冷えたので、海で’トイレ’(注:小です)。

今年より桟橋(ピア)へのスイムアップが、浅瀬へ降りる階段側に変更された。
階段は幅を拡げて設営されていたが、これだけの人数だと、それでも狭い。
ボランティアからバイク用品の入ったバッグを受取り、テントでウェアを着替えてバイクに向かう。

(2)バイク180.2キロ(6時間2分)

コナの街中、上り坂

カイルア・コナの町を巡り、パラニロードの急坂を上がってからはクイーンKハイウェイを
ひたすら北上し、戻ってくるコース。

ハイウェイに出ても、いつも苦しめられる
あのコナウィンドは鳴りを潜めている。今年はみんなタイムがいいだろうなあ・・・。

自分は胃の調子がいまいちで、補給食がうまくとれない。無理に飲み込むと、
吐き気がしてくる。

折り返し地点の町ハヴィの近くで、向かい風が吹き始める。
アップダウンの連続で、じわじわと脚が消耗する。

ハヴィの町に入るとかなり強い向かい風になり、ペースが上がらない。
前方から折り返して来る選手達は追い風を受けすさまじいスピードで
すれ違っていく。

自分も折り返せば、追い風だ。

ハヴィの折り返しを過ぎると追い風を受けてスピードも上がる。折り返しで
自分の補給食を受け取るが、やはり、あまり食欲がない。

アウタートップで走っても、時々外国人選手に抜かれる。ギア比が違うようだ。
自分は52.12だが、リアは11がないとダメかもしれない。

風のきついところ

クイーンKハイウェイに戻り、もうスタミナが切れてきた感じ。
あげくに、2,30センチくらいのガムテープのようなものが、
ホイールにくっついてしまって、はがれない。

抵抗になるので、走りながら取ろうと思ったが、とれない。
あきらめて、止まってはずそうとするが、悪戦苦闘。なかなかとれない。

それでも、ようやく、はずし、再乗車。

気持ちも切れそうで、のろのろ走っていたら、外国人選手何人かに、
声掛けられた’ARE YOU OK?’とか・・。

情けないやら、有り難いやら。でも、日本人選手はまず声掛けないから、
やはり、感覚が違う。やさしい・・・のか。


(3)ラン42.2キロ(4時間8分)

再び、カイルア・コナの町をスタート。
町中を巡り、パラニロードの急坂を上がり、
クイーンKハイウェイへ。
ナチュラルエナジーラボをUターンして、
スイムスタートのカイルアピアに戻る。

スタート直後から、走りが重い。

完全なハンガーノックを防ぐため、ボランテアがくれる補給食を
口に入れながら、とにかく完走を。

沿道から受ける応援は、このハワイが最高。

このためにこのレースに出ると言っても過言ではない。
知らない人(日本人外国人に限らず)でも名前を呼んで応援してくれる。
苦しくてもカラ元気が出るし、笑いも戻る。

楽しまなければ!

ランスタート3kmくらいの海岸を走る

ストライドは伸びず苦しい走り。
エイドのトイレに寄りながら、力がよみがえってくるのを待つが、

やはり、ダメ。

年齢、トレーニング不足???
自問自答しながら、薄暗くなったゴール地点へ。

めでたく完走

ゴールで、ボランテアに抱えれられると、そこで、また、オエッ。

世界中にそのゲボの姿がネット映像で配信されたとのことです。

(帰国後、発熱もひどかったので、病院で診てもらったら、感染性胃腸炎だったよう
で、2,3日寝込みましたが今は元気です。潜伏期間から逆算すると、出発直後、現地
ではないかとのことでした)。

素晴らしい感動は速くても遅くても同じ。

また来年、このスタート地点に立てるよう頑張ろう。ゴール後横になりながら、
誓ったのでした。


********************************
* 番外編:今回はレースまでの正しいハワイ島の過ごし方を紹介 *
******************************
**

1日目

現地時間、午前10時くらいにコナ空港に到着

飛行機はガラガラ。マイルがたまり、ビジネスクラスで往復。
(去年はエコノミー料金でビジネスに回された)。
おかげで、こんなに寝られたことはない。到着まで四、五時間ぐっすり。
成田空港の寿司屋で樽酒をしこたま飲んだせいか…やや二日酔い。
機内の記憶がない。スッチーも暇そうで、お話したのはなんとなく覚えている。
後は、機内食を食べ始めたところで記憶が途切れている。

到着後すぐ、空港でレンタカー。
また、レンタカー会社のいつもの女性スタッフに気付かれ、少し盛り上がる。
八回めというとクレイジーという声が上がる。着くそうそう騒がしい。

クルマで、コナリーフというコンドミニアムにチェックイン。
すぐランチ。クルマで、お気に入りのベトナム料理のサイミンという麺を食べに行く。
食後、すぐ大会本部のあるホテルへ。選手登録を済ませて、1時から選手説明会。

今年のメーンスポンサーはフォードでした。
アイアンマンビレッジ、レース前日にクローズします。

即行で日本へのお土産を買った後、大会のスポンサーブースが集まったアイアンマン
ビレッジへ。
記念品をもらったり、買い物をしながら、コンドミニアムに戻る。
その後、自転車の組み立てをし、少し、休養。
夕食は部屋で軽くビールを飲んでから、近くのハゴスへ。赤ワインを飲みながら、
クラムチャウダー、ポキ、サラダ、エビのシーズニングフライなどを次々食べる。
部屋へ戻るとシャワーを浴びてベットに倒れ込む。
翌朝まで記憶がない。朝、寝ぼけて、自分がどこにいるのかわからないくらいだっ
た。
’ここはどこ?わたしはだあれ?’状態。



2日目

朝、6時すぎに起きて、軽くジョギングしながら、ピア(桟橋)へ。
田中信行さんというおじさんと待ち合わせして、二人で約2.4`泳ぐ。
こんなに事前泳いだことはない。少しやりすぎたが、水温も高く、気持ちよかった!

コンドに戻り、すぐに朝食準備。

今日は大会関係のイベントは夜のパーティーだけなので、船をチャーターして釣りに出た。
空港手前のホノコウハーバーで30フィートくらいのクルーザーを借りる。

沖合に出て、釣り糸を垂れるが、二人ではもったいないくらいの船と海、空。
素晴らしい透明度で魚が餌に寄ってくるのが見える。
カワハギの親戚(日本のよりデカくてパワフル)がいくらでも釣れる。
簡単に釣れてしまうので、飽きてしまい、船でカイルア湾まで行ったりと、
船を走らせて楽しむ。

うねりもそれほどなく、快適。トローリングロッドも借りてあったので、やればよかった…

24フィート、150HP
フィッシングタイプを半日借りました。

昼過ぎ、寄港して、コンドに戻りランチ。同行の応援チーム鈴木社長の奥さん
(富江さん)が美味しいカレー料理をふるまってくれた。めちゃ、うまい!

食後は、メカニックのチェックの為、軽く自転車に乗る。
終了後、これまた軽ーく、ランニング(8`くらい)。
帰って、鈴木夫妻がコナカントリー(ゴルフ)から帰るのを待つ。
今回は、大会のパーティーは行かず、のんびりすることに。

夕食は、昨日ショッピングした中から、ビーフを選択。

醤油ベースで味付け。その他、生野菜サラダ、目玉焼、鮪の刺身、ご飯と味噌汁、
全粒粉のパン、デザートのフルーツ。そして、ワインとビール。おなかいっぱい!

コンドミニアムの広いラナイ(ベランダ)やブールサイドでの食事は最高!
パーティーでイマイチのパスタより、はるかに楽しいし、美味い。
折角、コナまで来たのだし、パーティー会場のひとゴミに入るより、
はるかに気持ちよい。



いよいよレース前日

朝、レース当日朝のシミュレーションをしようとしたが、失敗。

5時の目覚まし時計の音では、全然起きられなかった。
時差ボケが少しつらい。

やはり当日でないからか緊張感がない。

6時に起きて、グアバジュースとバナナを補給。桟橋までランニング。

6時40分からスイム。約1.8`泳いで、また走って戻る。

昨日から少しずつ走っているが、故障していた右足はかなり回復している。
42`頑張れるといいけど…。

帰って朝食。今日は豚肉のソテー、サラダ、目玉焼き、パン。ミルクとコーヒー。

朝食後は応援チームとアイアンマンエキスポとコナショッピングセンターの
買い物に付き合う。

11時に戻り、バイク及ぶトランジッションバッグの預託の準備。
レースナンバー1〜850番までが12:00〜14:30までそれ以降の選手は14:30以後。

自分は592番なので、先にやらなくてはならない。

ランチを作りながら、トランジッションバッグの中身を確認。
ランチは鮪ステーキ、コールスロー、味噌ラーメン、ジュース。

バイク預託に出掛ける前に、念のため、エアボンベを使ってみてビックリ。

エアが出ない。

欠陥品のインフレターだった。気が付いてよかった。

取りあえずバイク預託の後にバイクショップで代替のものを買うことにする。

1時近くにバイク預託へ。

いつも長蛇の列で、時間がかかるのを覚悟したが、
ガラガラで5分で終わった。

しかも自分の預託担当はワイコロア在住の日本人女性。
気楽だった。

その後、バイクショップに行きボンベのインフレターを買いに行く。
明日の朝、代えなければ!

コンドには2時に戻る。
いつもなら、ここからコナカントリーにゴルフに行くが
今年は足を痛めていることもあるので休養。
海を見ながら、最後のビールでのんびり。
少し雲っているので過ごしやすい。
また、このコンドは夕日が沈む瞬間がちょうど真正面。
素敵だった。

夕食は昨日釣った魚を煮付けにしてもらった。最高に美味かった。
その他牛肉の網焼き他。毎日美味しくて太りそう。

ダイエットトレーニングにアイアンマンレースなんて、ちょっと贅沢。

今日は赤ワインもそこそこに早寝する…明日は4時半起き(予定)。