丸 知司 アイアンマン世界選手権ランカウイ
(マレーシア)予選会 
参戦記
 

ランカウイ(マレーシア)予選会でアイアンマン世界選手権(ハワイ島)の出場権を
ゲットしました。


用事が重なり、予定していた三月のニュージーランド予選会がアウト。

ガッカリしていたところ、中止かもしれないとされていたランカウイ予選が
予定通りに開催ということになり、一か八か行きました。
この大会は相性がよいのです。

場合によっては、出場枠がなくてもよいと覚悟して。
ところが、現地に着けば、まさしくアイアンマン予選会でした。

参加人数は少ないですが、ハワイ出場枠(スロット)もあり
津波救済キャンペーンで、なんと参加費用(350ドル)が無料。

好きなだけの寄附で結構ということでした(もちろん寄付しました)。
こんな形で少しでも役立てるのは嬉しいです。

ランカウイ島には去年も来ているので要領は心得ています。

早速、美味しいマレーシア料理や中華料理で昼、夜とも美味しい食事。

さらに屋台で食べるとメチャメチャ安い。ただ、注意したいのは回教徒が
多いので、ビールがあるか尋ねてから入る必要がある。

その他、ホテルのプールも空いていて気持ちがよい。
レーススタート会場のクアタウンはなかなか元気な港町。

活気があるが、それにしてもバイク(昔の日本のカブみたいなもの)が多く、
空気があまりよくない。
これさえなければ・・・。

感激したのは、ホテル(シテイベイビューホテル)でマネージャーをされて
いる日本人の宮本さんがレース期間中にわたり、いろいろお世話してくれたことです。

厨房に言って、レースの朝用の朝食スペシャルで作ってくれたり、
ホテル専用車でスタート地点の海まで送ってくれたり。
レース中、奥様と応援してくれたり、写真を撮ってくれたりと本当に有り難かったで
す。

(1)スイム(3.8キロ)

スタートは予定は7時だが、真っ暗なので、明るくなってからに変更。
従って、実際のスタートは7時15分くらいか。

スイムはクアタウンの港の中を2周回。
タイムは一時間8分でクリア
クラゲではないが、水中生物にチクチクサル刺されながら…我慢、我慢。
ハワイの決勝戦と同じで、ウエットスーツが禁止されている。
素肌は、水中生物相手にはちょっと分が悪い。


(2)バイク(180キロ)

バイクコースはアップダウンが減ったもののメーターで見たら190キロ近くありまし
た。
相変わらずアバウト。

風はレースの後半、風が回っている感じでどこへ行っても向かい風のように感じた。
ジャングルを抜け、集落へさしかかると、子供達のすごい声援。
サルや牛が道を遮るところもありましたが、少しだけ順位を上げて、なんとかバイク
も無事終了。

(3)ラン(42.195キロ)

面白かったのは、レース後半。ランに移ると、周回コース、少人数ということもあり、
選手がなんとなく顔見知り。本当はライバルなのに、お互いに声をかけたり、ジェス
チャで励まあう、稀な、そして楽しい大会となりました。

ただ、これは人数が少ないという理由だけでなく非常にキツい…暑さと
湿度の中で走ることにお互いが励ましあう為のものだったかもしれません。
奇妙な同胞意識というか…。

眼の前に、出場枠がぶら下がっているのにリタイアしていく選手の多かったこと。
完走率はなんと60%(普通90%くらいですから、ちょっと異常)。

日本人のあるベテランアスリートも筋肉の痙攣でゴール目前で完走を断念。
聞けば、その方は50回以上に及ぶ長いアイアンマン競技歴で初めてのリタイア
だそうです。プロ選手も結構苦労してましたから本当に暑かったのかも。

もちろん、かくいう自分自身もワースト記録ではありましたが、
なんとか走れました。暑さに結構平気なのかも・・・。

日が陰った夕方からやっとまともに走れる状態なりました。
気温は35,6度だったようで、過去数年と同じくらいだったが、
湿度が高かったようで、水をいくらかけても、体温が下がらない。
私もランだけでペットボトル30本以上使わせていただきました(資源の無駄使い!)。

自分も苦しかった(止めたいと思うのはいつもと同じ)けれど、楽しかったです。

仲良くなったスペインやドイツの同一エイジ達と周回は違っても、
励ましあって並走したりして。初めての素敵な体験をしました。

終了後のパーテイではメールアドレスの交換をして、再会を約束しました
(言葉の壁は一時的に飛び越えました)。

今回、
自分と同一エイジは6人しかいません(いつもは少なくても4,50人、多いときは
200人くらいですから)。
結局、スペイン、アメリカ、ドイツなどのライバルをちぎって1位、総合で9位。
アマチュア部門全体で2位でした。

ラッキーな
ハワイゲット(参加予定だったニュージーランドだったらどうだったでしょう?)。

10年もやっていれば、こんなのもありですね。
素直に嬉しい!!!

レース後はホテルマネージャーの宮本さんご夫妻と夕食に。

ホテルのバーで少し飲んだ後、美味しい中華料理屋さんへ。

いつもだったら、グイグイいくのに、この日ばかりは思うように食べられないし、
飲めません。
これも余りに暑かったせいで内臓が疲れていたのかもしれません。
自分には大変珍しいことです(しかし、もったいないので、お土産として包んでもらい、
翌朝しっかり食べました)。本当によい経験のランカウイ一人旅でした。
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おしまい。