丸 知司 2004年アイアンマンハワイ 参戦記 

開催日2004年10月16日

今年もハワイ島で行われたアイアンマンの世界選手権に参加してきました。

(総括)

結果は11時間57分で、あまりよくありません。
原因はスタミナ切れ。
最近のトレーニング不足が正直にあらわれています。
今年は予選会でも同様。運良く予選だけはギリギリで通過したものの、
結局、トレーニングの見直しをすることもできないままの参加では当然の結果。
平日のトレーニングは1〜2時間確保できているものの、仕事が休みの時のトレーニ
ングはせいぜい2〜3時間程度。最近はロングライドも全く行かなくなっている。
トレーニングは嫌いでないので、一旦、出てしまえば、続けられるのですが、
なかなか出かけない。引きこもり症候群。加齢が根本原因なのか?
ともかく、自分を変えて復活したい。

(今回気付いた点)

・成田、コナの空港の警備、荷物チェックがゆるやかに。
 但し、米国入国の際は指紋と顔写真をとられる。
・JAL直行便であったが、JALのサービスも益々シンプルに
   (乗客としてはこれで十分であるが)。
  イ 機内の食事、夕食、朝食もあっさり。
  ロ 映画も新作は出さない。
  ハ ビジネスの設定がない(シートはあるが、設定はなく、調整席として)。
・コナのクルマが増え、渋滞がひどくなった。
・大会側のコストダウン指向。
   イ 事前の大会案内はすべてメール(添付ファイル)で配布された。
    (従来は、冊子で郵送だった。)
   ロ 記録(リザルトブック)も翌日パーテイの際にDVDで配布。
・スポンサーの配布グッズ(ブース、街、海辺)も激減。
・プロ部門のスタートは6時45分とウエーブスタートとなった。


(大会参加レポート)

今回のレポートは時系列、日記風に書いてみます(大会前後の雰囲気が
伝わるとよいのですが・・・)。従って、少し長くなります。



(1日目・10月13日


夕方の東京駅。成田エクスプレス37号の中で応援チームと合流。早速、酒盛りとなる。
空港に着いて、搭乗手続き。今年はバイクケースについてお咎めなし。
引き続き空港内の恒例となった寿司屋で一杯。これで美味しい和食もしばらくお預け。
JALが何周年とかでラウンジを開放していた。行けば無料で飲めるが、
やはり、寿司の魅力には勝てません。
コナ直航便にはマイレージの無料航空券で乗ったが、座席はかつてのヒジネスシート
(調整席として空いていた)。寝酒にシャンパン、ワインを飲んだがウキウキして
2〜3時間しか眠れなかった。

コナ到着は午前10時。空港でレンタカーの手続きしている間に雨が降り出す。
レンタカーは毎年ハーツを使っているが、受付けの女性が自分を覚えていてくれて、
自分のたどたどしい英語ながら会話に花が咲く。よくあんなにきついレースに
毎年来るね…っと。予約はコンパクト、エコノミーだったのに、こっそり、
グレードアップしてくれました。着くそうそうウレシイ思いです。

コナの街に入ると、すっかりアイアンマンムード。落ち着こうとしても無理な話です。
まずはコンドミニアムにチェックインして、選手登録、説明会に向かう。
途中、ランチを華僑のオッサンみたいな人の経営のアジアンレストラン・タイリンで
麺を食べる。
ここは美味い。
説明会はいつもはサボっていたが久々に参加。
有名な選手がゴロゴロ。日本のプロ、田村さん、宮塚さんがいないのが寂しい。
説明会の終了後、キングカメカメハホテルのビーチでひと泳ぎ。
応援チームと街を散歩しながら、アイアンマンのスポンサーブースを見て帰る。
夕方、6日分の食料をマーケットに買い出し。
夜は応援チームとプールサイドでバーベキュー。酔っぱらって、プールに飛び込んだ
り、潜ったり、ジャグジー入ったり。心臓によくない。
持ち寄った食材とビール、ワイン、泡盛などで楽しいひととき。
ここで頑張って起きて、一気に時差ボケをなくす。

     
(2日目・14日)
   
六時半に起きて、軽くジョグしながら、スタート地点のピアに。15分泳いで、また
ジョグして帰る。
朝食はパン、野菜サラダとマヒマヒのステーキなどを簡単に作って食べる。
午前中はシーカヤックを日本から予約していたので、ケアホウ港へ移動。
これは日本からEメールでやりとりしておいたもの。そういえば、携帯もボーダフォ
ンにした為、Eメール、会話は日本と自在だった
(以前は前はKDDIのスーパーワールドカードだった)。
その後、コーヒー園など観光の後、ランチは時間の節約の為ハンバーガー。

午後二時から自転車(以下バイクといいます)を組み立て、19号線を試走。応援
チームの一人がバイクを持ってきたので、一緒に試走。
調子はまずまず。1時間走り、宿に戻る。
今夜は大会側主催のパーティ。ビールは出ないので、行く前にコンドでビールを
しっかり飲んでおく。
パーテイは毎回ワンパターンの食事で美味しくないが一応参加。
帰りにおきまりのハゴス(コンドミニアムのそばのレストランバー。バーテンと少し
顔見知りになっていてサービスがいい)。
バーカウンタで飲んでいると、自分に電話だとバーテンに呼ばれる。
こんなところで飲んでいるのを知っている人はいるはずない・・・外国で呼ばれる
筋合いはない、間違い電話!と一度は断るが、やはり、自分だと言う。
電話に出てみると、やはり自分への電話(高橋真樹選手から)だった。
なぜ、人の行動がわかるのかと首をひねる。
その後、ワインを何杯か飲んで帰って寝る(11時過ぎ就寝)。

(3日目・15日)

六時に起きて、今度はバイクで街中のレーススタート直後のルートを軽く走る。
バイクでそのまま、スタート地点のピアに。10分だけ泳いで、帰る。
朝食は応援チームが作ってくれたパスタと鮪のステーキなど。
レースは明日。昼間までかかって、必要な着替え、バイクなどを大会側に預ける為の
準備。
昼はやはり景色がよくて大好きなレストラン’ビスタ’へ。ハワイの’ハンバーグど
んぶり’ロコモコとビール。
ロコモコはやはり多すぎて、オナカが苦しい。後、2口くらい手前でダウン。

午後2時から、用意した着替えバッグやバイクをスタート地点へ持っていくと長蛇の列。
しかし、要領がよく比較的スムーズに終わる。
終了後は応援チームと再度買い物。夕食は自室でありあわせで済まし、10時には寝る。
ビールも最後の一本だけ。もう、ジタバタしても始まらない。


(4日目・16日・レース当日!)

四時半起床。朝食は御飯と味噌汁、焼き魚など。
スイムキャップなど忘れないよう何度もチェック。応援チームと五時半に出発。
腕、足にマジックでゼッケンを書かれ、その後、自分のバイクに空気を入れに行く。
終了後、再度、応援チームのもとに行き、記念写真。

スタート前リラックスしています。



スイムスタートは七時ちょうど(今年のプロ部門は15分早めの6時45分と分かれ
た)。
水はやはり少し冷たい。一度入ったが、浮いて待っていると寒いので、桟橋によじ
登って、
10分ほど待つ。
号砲がなり、スタート。多少バトルはあるが、あせっても同じ…と自分に言い聞か
せ、
軽く軽く、力を抜いて泳ぐ。1時間6分で終了。トイレを済ませ、バイクのスタート。

スイムスタート直前 スイムスタート直後



応援チームがコース上の登り道路にでっかく自分のゼッケンを書いて置いてくれたのに
気づき、気合いが入る。
応援チームの声援に別れを告げて、19号線(通商クイーンK)に。

折り返しの上り坂、余裕が見えます。
フリーウェイを走る   写真提供 岩佐一安


しばらく行くと、向かい風がだんだん強くなる。
まあ帰りは追い風になるからと自分をなぐさめながら、ペダルを漕ぐ。
途中、義足の中にエンジンを隠す古畑選手などと一緒になると、少し会話をして気を
紛らわす。
折り返しで預けて置いたスペシャルフードをリクエストするが出てこない。
しばらく、待ってようやく受け取り、再スタート。
今度は追い風だあ・・!ただ、その前にトイレ。
ガンバって走るが、110キロを過ぎたらスタミナが切れてきて、力が出ない。
そこへきて、帰りは追い風のはずが、午後になり風向きが変わったらしく、また向か
い風に。
がっかり。後で、今回はドラフテングが多かったと聞いたが、自分にとっては、折角
のハワイ。
きれいに自分だけで気持ちよく走ることを心掛け、なんとか180キロのバイクを終
えて、ランに。
着替えを済ませ、再び、トイレに入り、すっきりしてスタート。

行きのコンドミニアム前でハイタッチ
ランの得意なマルちゃん、笑顔です。  写真提供 岩佐一安

応援チームがコンドミニアムの前で待ちかまえている。みんなにハイタッチして通過。
この気分が最高。折り返して、もう1度チャンスがあるので、楽しみ。
ランの25キロ地点でもう1度トイレに行き、自分の体の復調を待つが、やはり一度切れた
スタミナはやはり戻らなかった。応援チームの待つ最終のゴール地点は
暗くなりつつあったが、大声援の中、ラン42キロのゴールラインを超えた。
苦しくて何度も途中リタイアを考えたが、ゴールできてよかった。

ゴール後は、エイドで応援チームとピザとアイスクリームを食べる。ビールを持って
待っていてくれる
と言っていたメンバーとは会えず。従って、ビールはお預け。その後、すぐにコンド
ミニアムに一旦もどり、
シャワーを浴び、ビールを1本。さらに近くのハゴスのバーカウンターで一杯。赤ワ
インが美味しかった。

11時近くなり、待ちに待った最後の1時間のゴールを見るために、再びゴール地点
へ行く。
例年であると、調子が悪くなり遅くなったアスリートだけでなく、高齢の尊敬すべき
アスリートが続々と帰ってくる感動の一瞬である。
いつも音楽にあわせて、踊ったり、拍手しながら待つ。
これを見逃してはなるまい。しかし、今年は、風が強かったせいか、帰ってくる人が少ない。
アッという間に午前0時の門限がきてしまった。カウントダウンの後、あきらめて、
コンドミニアムに戻る。
遅くなっても、それなりに楽しかった一日を思い出しながらベッドに入る。

ゴールの中

(5日目・17日)

レースの興奮も冷めて、穏やかな朝。応援チームは朝からキラウエア火山へ出発。
自分は少し疲れ気味なので、のんびり朝御飯を食べて、自転車のパッキング。
その後、鈴木社長さんと10時からコナカントリークラブにゴルフに。
午後からなら安い(半額くらい)が、朝のスタートなので、少し割高。
やはり、午後からにすればよかったか・・・。
空いていたので、ツーボールで打っていく。二つ打つことで、ショットの打ち方を
微妙に変えて結果をみられるので勉強になる。スコアは、100ちょっとかな(年に
一度では進歩はない)。

夕方からはアワードパーテイ。キラウエアへ行っていた応援チームの他のメンバーと
合流し、ショッピングがてら、早めに出かける。
会場では参加した選手、応援のみんなの満足した清々しい顔が並ぶ。
総合優勝は男女ともドイツ人。英語が下手だという女子選手の控えめなコメントが
ユーモラス。日本選手では60歳のエイジ優勝の三森さんがひときわ輝いていた。
食事は相変わらず美味しくないが、コナビール(ペールエール、ロングボード)が飲み放題。
応援チームはすごい飲みっぷりだった。
最後にもう一度ハゴスのバーに寄って、苦しくとも楽しく充実した6日間に、赤ワイ
ンで乾杯。

(6日目・18日)

朝7:30にコンドミニアムを出発。コナ空港へ。飛行機は10:45発。ホノルル
経由の成田行き。
空港ではバイクケースなどは開けられず、あっさり通過。昨年までの念入りなチェッ
クは一体なんだったんだろう。
こんなことだから、テロが起きるのではないか。

ホノルル空港でお土産を少し探してみるが、あまりピンとくるものもなく、再び、機上に。
夕方、成田に着き、成田エキスプレスに乗る。ここで再び缶ビールなどで乾杯。
別れを惜しむ。応援チームに感謝、感謝。
また来年、8回目の挑戦ができますように、自分自身に挑戦です。