丸知司 参戦記
ハワイ、トライアスロンゴールの画像

10月14日に行われたハワイ島アイアンマンハワイワールドチャンピオンシップのレポートです。

このレースは世界十数カ所で行われるアイアンマンシリーズの決勝戦の意味合いで毎年10月
の満月に一番近い土曜日に行われるレースです。今年で22回目を迎える伝統のトライアスロン
の原点となっているレースです。出場には各大会で約上位5〜8%(年齢別)に入るという難関があります。

私個人からみた今年のハワイの様子は次の通りです。

ハワイ島はレース前後、晴れが続き、海も安定していました。総じて良いコンデイションだったと思います。

(1)スイム3.9km
1500人の一斉スタート。キャノン砲の号砲一発スタートです。選手同士のぶつかり合い
(バトルといいます)に負けないように進みます。昨年と違い水温もまずまず。ウネリもなく、すばらしい透明度。泳ぎやすい海でした。

(2)バイク(180.2km)
相変わらずのコナウインド。油断すると自転車を倒されるます。
ワイコロア等の各リゾートまでは例年より強めの向かい風でした。ハウィへ行く交差点を過ぎてからの横風は例年通り。
違っていたのは、帰りでした。例年アマチュアが戻り出す11時頃にはマウナラニ、ワイコロアあたりはには風向きが変わって、
また、向かい風になるのに今年は朝の風向きのまま。
すなわち、強烈な追い風でした。アウタートップでも回しきれないほどでしたから、今年はバイクタイムの良い人が多かったと思います。
外国勢に比べ、バイクの比較的弱い日本人プロが若干上位に入ったのは、そのせいではないでしょうか?

(3)ラン(42.195km)
今回は暑すぎず、ちょうど良いコンデイション。といってもハワイですから頭から冷水を
がんがんかぶりながら走ります。マラソンコースとしては最初の方は結構アップダウ
ンがあります。美しいハワイ島の風景や夕日が楽しめます。。


私の方はスイムはこれまでの自己最高タイムで帰ってきたのに、バイクスタートして
すぐのキンカメの前で外国人選手にぶつけられて,クラッシュ。体の方は両腕の擦過傷の
みで骨折等はしなかったですが、前輪のスポークがやられ、ハンドルが曲がってました。
リタイアかと目の前は真っ暗。スタートの本部テントからメカニックを呼んで、応急処置
(前輪の折れたスポークを元気なスポークにビニールひもで結びつけ、テンションをつけ
ました)。そして、ここに替えホイールがないので、ともかく、クイーンK(ハイウエイ)に上が
ってメカニックカーを呼ぶよう言われました。振れて動かないホイールをキイキイいわせて、
なんとか坂をよじ登り(担いで登りたかったのですが、猛烈な応援の中、恥ずかしく)、
上で、マーシャルを捕まえました。無線でメカニックを呼んでくれたのです
が、持っているホイールは27インチ。もう一台のメカニックカーを呼んでもらいやっと
のことで、走行可能になりました。再スタートした頃はスタート後2時間近く経過し、殆
どスイム最後尾。殆ど最下位グループからの追い上げで、後から一生懸命追いましたが、
足を使いすぎてマラソンが走れませんでした。トータル12時間22分46秒(1005
位)。最悪の結果でした。

本当にこの日のために1年間頑張ってきたのですから、ただ完走のために走る残りの
10時間は悲しかったです。
それでも、何とか完走したのは、直前に骨折して出られなかった友人や、予選会で出
場権を得られなかったけれど最後まで頑張ったうちのカミサンはじめ多くの人たちのこと
を考えたからです。また、完走させようと一生懸命やってくれたメカニックの人たちのこ
とも考えました。

コナを離れる日の早朝、一人でスイムスタート地点の沖合まで泳ぎ、涙と一緒にこの
悪夢のような思い出と決別してきました。また、来年必ずこの地点に立てるよう頑張ろう
と思いました。



今回も最後まで読んでいただき有り難うございました。    丸知司


戻る